全国病院組織開発協会(MODA)
共同代表 桐野です。
研究者である
ロナルド・A・ハイフェッツは、
世の中におこる問題・課題には
「技術的問題」と「適応課題」があると
提唱しています。
技術的問題とは、
原因を明確に捉えることができ、
経験や専門性、
さまざまな側面から蓄積された
既存の知識を使って解決できる問題のことです。
制度や規則の導入、
研修や面談の実施等もこれにあたります。
要は、問題点に対して
解決策を明確に提示できるものということです。
適応課題とは、
そもそも問題の定義がはっきりしないものです。
誰もが問題の一部だと捉え、
関連する人との関わりの中で、
既存の思考や行動様式を
メタ認知(自己認知をさらに認知する)し、
自ら解決していくことが求められます。
多くの組織では、
直面している問題が
適応課題てあるにも関わらず、
分かりやすさや取り組みやすさといった点から、
技術的問題として捉え違えて、
技術的な解決策で対応してしまい、
その結果、問題が繰り返されたり、
新たな問題がおこったりしていることが
よくあります。
では、適応課題に取り組みには、
どうすれば良いのでしょうか。
適応課題は、
関連する人との関わりの中で
既存の思考や行動様式が影響しています。
そこで、
関連する人たちの対話や関わりの中で
まずは既存の思考や思い込みに気づく
ということが大切になります。
しかし、このことは
思い込みに気づく難しさがあるだけでなく、
これまでの価値観や思考を手放す(否定する)ことも
時には必要になるため、
無意識で拒否反応を示すことも多いです。
病院での適応課題では
『忙しくて仕事以外に時間がとれない』
ということが、
どの病院にもあると感じます。
何かに取り組む際に
この声って聞こえてきませんか?
これを事実として捉えたり、
技術的に解決しようとする限り、
いくら時間の確保をしても
「忙しいのに・・・」という思考がどこかになり
成果につながりにくいと感じます。
時間がないと意味づけている限り、
何に取り組んでも時間を生み出す動きは
生まれないと感じます。
時間を作ったとして
その分他のことや他の人に影響したり、
忙殺された中で何かに取り組んでいるままで
前向きな気持ちばかりにはなりにくいとも感じます。
何よりもこの発言には、
「現場以外の事は仕事ではない」
という思考があると感じるんです。
会議や何かの取り組みは
仕事ではない、という意識が
どこかに働いている職員も多いかもしれないですし、
組織に属する職員が
「また会議。現場忙しいんだけど」
といった思考をもつことで
会議や取り組みはやはり仕事ではないと
定義づけられているケースも多いです。
技術的問題で取り組んでしまうケースに見られるのが
短期的な成果を求めている
というものもあります。
正直、人や組織に関しては
短期的な成果はでないことがほとんどではないでしょうか。
むしろ短期的な成果がでるのは
危険だと感じます。
(管理統制されているケースが多いです)
何か問題がおこった際に
技術的問題と適応課題の両方で考える
という視点をもつことは
大切なことと考えます。



